アポカリプスの砦【3巻】ネタバレ！キモすぎ！人間の犬型ゾンビが出現！！！

ゾンビvs.不良!!

監獄を舞台に災厄が最悪を食む!!

――関東中の不良が集まる更生施設・松嵐（しょうらん）学園に、無実の罪で収監された前田義明（まえだ・よしあき）。

監内に突如現れたのは死してなお歩き、人を喰らうゾンビだった……！

悪夢のような世界で、不良達のサバイバルが始まる!!

戦慄のパニック・ホラー!!!

前巻のあらすじ

一度は学園に戻ったものの、すでに学園内を統率していた一ツ兜に「逃げた」と責められ、学園を追放されかける4号室のメンバーたち（前田、吉岡、岩倉、ノイマン）。

ノイマンの機転により、4人が自衛隊の駐屯地から武器を取ってくるという約束で、何とか場は収まった。

しかし一ツ兜は、街へ出る際は車を使わせない、という条件を出す。

簡単な武器のみを持って、4人は再び街へ繰り出した。

目的地に向かう途中、ホームセンターなどを渡り歩き、武器やバイクを調達したことで、ゾンビたちが襲ってきてもそれほど脅威ではなくなった。

道路標識に目が留まった吉岡が、「ちょっと寄ってきてートコあんだけどいいかなあ？」と言い出す。

向かった先はゲームセンターだった。

こんなときにピンボールをやり出す吉岡に、キレる寸前の岩倉。

しかし、前田が「Lucky Hills」と書かれてある看板を示し、ノイマンが和訳（Lucky＝吉、Hill＝岡）を呟くと、岩倉は「吉岡……ここはお前の…」と察する。

そこへゾンビたちが突入してきて吉岡はピンボールをやめようとするが、3人は自分たちだけでゾンビの相手をするから、吉岡にもう少し続けるように言うのだった。

そして4人は陸上自衛隊駐屯地に着いたが、中にも死体がたくさん転がっていた。

建物に入り、手分けして武器庫を探していると、前田と岩倉のペアは、軍服を着た生存者の男性と出会う。

武器庫に案内してもらう道中、「よくあんなすばしっこい奴等を倒せましたね…」と言う男性に、「え？」と返す前田。

犬みたいなのがいたという男性に前田たちが戸惑っていると、裸で四足歩行のゾンビが窓（前田たちがいるのは2階）を突き破り飛び込んできて、男性に噛みついた―――。

アポカリプスの砦【3巻】ネタバレ！

犬型タイプとの格闘

一瞬の判断で2階の窓から飛び降りる前田と岩倉。

しかし、飛び降りた先にも犬型タイプのゾンビが5体。

よだれを垂らしながら近づいてくる犬型ゾンビたちに、岩倉は銃を連射するが、犬型ゾンビはどんどん集まってくる。

そして、前田と岩倉に「にこ」と笑いかけ、撃たれた仲間にかぶりつく（共食い）犬型ゾンビたち。

「うあああ」と叫びながら逃げる2人の横を、犬型ゾンビが「きゃはは」と笑いながら、いとも簡単に並走する。

岩倉がなおも銃を連射するが、犬型ゾンビは続々と現れる。

何とか倉庫のようなところに逃げ込む2人だったが、中にはたくさんの死体、そして倒れて死にかけている人たちの姿があった。

「早く…殺…して…くれ」と懇願する人に銃を向ける岩倉。

「まだ生きてる」と言う前田だったが、岩倉は「俺達には薬も包帯も無い…コレ（銃弾）しか無いんだ」と言い、息のある人全員、銃で撃ち殺した。

銃を降ろし、力が抜ける岩倉に、前田が「どうやってこの人達…ここに入ったんだろう？」「もしかしてあの人達逃げられないようにしてここに集められたんじゃ…」とはっとする。

前田が外に目を向けると、悪い予感が的中し、周りを数十体の犬型ゾンビが取り囲んでいた。

この倉庫は犬型ゾンビたちのいわば食糧庫だったのだ。

岩倉は、前田に走って逃げるよう言い、銃を構える。

「岩倉君も…来るんだよね？」と聞く前田に、岩倉は2階から飛び降りた時の足のケガを見せ、もう走れない、一人で行けないなら殺す、と言った。

前田は助けに戻ると約束して、全力で倉庫を飛び出し、走る。

それを倉庫の中から銃で援護する岩倉。

前田が無事に行ったことを確認すると、「こいつは俺の分」と、1発残しておいた弾を銃に詰めた。

必死で逃げる前田は、2階から吉岡によって助けられた。

吉岡もノイマンも無事だった。

岩倉を助けに行こうとする前田と、岩倉の心中を察して逃げると言う吉岡。

2人がケンカしているとき、ノイマンは下に、発煙装置のようなものを乗せた車が停まっているのを見つける。

次の瞬間、装置が発射され、犬型ゾンビたちが巻き込まれるように大爆発が起こった。

車には2人の男性が乗っていた。

岩倉の過去

しかし、犬型ゾンビたちにダメージはない様子だった。

車の男性は、「今のは通常の閃光弾やし」と言い、手製のナパーム弾を発射。

今度は炎が犬型ゾンビたちに纏わりつき、焼き尽くした。

炎は岩倉のいる倉庫まで引火。

岩倉は、家族を殺されて、そのままゲリラに入れられ、訓練を積んだ過去を思い出していた。

回想の中で教官が、どんな時でも天国への切符として、一発だけは弾を残すように指示していた。

岩倉が家族のもとへ行こうと、銃を喉に向けた時、男性2人の車が倉庫に突っ込んできた。

いつの間に合流したのか、車の中から早く乗るように呼びかける前田。

前田が決死の覚悟で車を止め、岩倉のもとへ向かわせたと聞き、「すまんな」と言う岩倉。

「だって友達でしょ」と真顔で言う前田に、昔の思い出を思い出したばかりで何か思うところがあるのか、岩倉は「ふ」と笑うのだった。

花畑の秘密

その後、吉岡、ノイマンとも合流。

車に乗っていた男性2人は、花畑慎平、笠原祐史と名乗り、関西から来たと言った。

みんながこれまでの経緯などを語る中、車の中に留まり、ケガした足の痛みに耐える岩倉。

不意に後ろでガタガタと音がして、布がかぶせてある荷物を除くと、全身を包帯でぐるぐる巻きにされた何かが檻に入れられていた。

そこに花畑が「武器探しに行こか？ホラ」と不気味な笑顔で現れる。

岩倉は一瞬息を呑んだが、檻から出し、包帯を取り始める。

「ウチの子にさわるな」と慌てる花畑。

中には、ゾンビ化した子どもが入っていた。

「そーゆー事かよ」とチェンソーを構える吉岡に、必死に、りっくん（子どもの名前）は病気になってるだけで、他のゾンビたちとは違うと力説する花畑。

その姿に、思わず涙を拭う笠原と、かける言葉が見つからない4人。

結局、りっくんは再び包帯に巻かれ、檻に入れられた状態で、車に乗せて連れて行くことになった。

ゾンビの塔、再来

武器庫に着き、6人は弾丸などを補充する。

ノイマンが肩を押さえるのを見て、「肩痛いの？」と前田が声をかけると、「そんな訳ではないが」とノイマンは言った。

もう少しで完全に補充できる、というところで犬型ゾンビたちが走ってくる音が聞こえる。

一同が慌てて車に向かうと、犬型ゾンビたちは前田たちには目もくれず、一目散にどこかへ向かっているようだった。

檻の中のりっくんも、ガシャガシャと暴れ出す。

前田が、何かから逃げているみたいだ、と犬型ゾンビたちが向かってきた方に目をやると、そこには、以前街中でも遭遇したゾンビの塔があった。

先端には、「たたでしぬとおもなよ」（ただで死ぬと思うなよ）と、以前、前田が発した言葉を反芻する、黒目に3つの眼球がある例の男性（？）の姿があった。

車に乗り込み、銃で撃ちながら逃げる6人だったが、ゾンビの塔の一部が伸びてきて、車が持ち上げられてしまう。

そして、男性（？）が「…ま…え…だ…」と笑いかけながら、バックドアから車に入ってきてーー。

アポカリプスの砦【3巻】ネタバレ！感想

３巻では、新たな敵、新たな仲間、そしてりっくんという敵とも味方ともつかない存在が登場し、より物語が広がってきました。

動物ゾンビではなく、人間の犬型ゾンビって、なかなか斬新で衝撃的ではないでしょうか。

人間型を保っているタイプと違い、髪の毛もほとんど抜け落ち、服も着ていないので、全員、似た姿をしているのですが、顔が一体一体違っています。

そしてその顔の違いが、本当に不気味で…前田が思わず「きっ…キモッ…」と漏らした言葉通りの、異様な存在感を放っています。

おそらく読者も全員、「キモッ…」という感想以外、出てこないでしょう…それほどの不気味さです。

初めて見たときの衝撃度で言ったら、この『アポカリプスの砦』という作品全体を通して、一番かもしれません。

特に、犬型ゾンビの見開きの、左ページ手前の一体が絶妙な顔立ちをしており、何度見てもゾワゾワが止まりません！

そして、ノイマンの肩、りっくんという存在は、今後の伏線になりそうですね。

ここまで、吉岡と岩倉の過去が取り上げられましたが、残るノイマンの過去も気になります。

さらに、ゾンビの塔のてっぺんにいる例の男性（？）！

なぜ前田を気にかけるのか…そこにゾンビたちの謎を紐解くヒントがあるかもしれません。

３巻では、前田の真っ直ぐさがより出てきました。

それに振り回されたり、冷たく突き放すような態度を取りながらも、何かと前田を助けてくれる吉岡、岩倉、ノイマン。

4人の絆は3巻でも健在です！

ぜひ、ゾンビの「キモッ…」という感覚、そして4人のチームワークを、実際に読んで体感してみてくださいね！

この『アプカリプスの砦』という作品は、ゾンビや世界の終末、デスゲーム系でよく登場するエロの描写が無く、グロテスクな表現も控えめでありながら、しっかりと鳥肌が立つ雰囲気が味わえます。

スリラー漫画初心者や女性にも全力でおススメできる作品です！

人間が感染によってゾンビとなり、瞬く間に世界の様相が変わる、という王道を行くゾンビ漫画ですが、ゾンビたちには、他の作品ではあまり見られないような特徴があり、それがこの作品の魅力となっています。

今後も、この漫画ならではのゾンビとその表現力、そして登場人物それぞれのキャラクターに大注目です！

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