食糧人類【5巻】ネタバレ！和泉所長の過去と本当の目的が語られる！！

天才・山引との出会いにより、研究者としての栄光の道を閉ざされてしまった桐生。

面倒な助手を殺そうと仕向けた放射線事故がきっかけで、
愛娘も醜い猿の姿へ無惨な変貌を遂げた。

その後「ゆりかご」で再び相見えた山引に対し、
桐生は積年の恨みを爆発させ、刃を心臓へと突き刺てる――。

その一方で、和泉所長も“ある計画”ヘ向け動き出していた‥!?

 

人類生存を賭けた“食物連鎖”パニック！

 

食糧人類【4巻】のあらすじ

『夕凪の会』のリーダー・桐生に拘束され、改造人間にされそうになる伊江たち。
しかし、そんな窮地を救ったのは別行動をしていた筈のナツネと山引だったのです。

次々と桐生が作り出した改造人間を倒していくナツネの驚異に皆が驚く最中、
なんと山引は桐生の義理の息子という事実が明らかになったのでした。

食糧人類【5巻】ネタバレ！

桐生の最後

山引との過去を思い出し、蘇った劣等感に揺さぶられた桐生は衝動的に、
アイスピックで相手の心臓を突き刺します。

「なんでイキナリ刺すんですかぁ？危ないじゃないですか」

桐生に殺されかけた際に、他の生物の遺伝子を自分の体に取り込んでいた山引。

そのせいか、普通の人間とは内蔵の構造が変わってしまっていたため、
僅かに痛みを訴える程度で、ケロッとした表情を浮かべます。

山引を消し去る事の出来ない自分への苛立ちを桐生は周りにいる改造人間に、
罵倒するが如く当たり散らします。

「このポンコツのクズ人間ども……テメェら全員舌ぁ噛んで死ねやクソが」

そう言い放った矢先、自分の鼻から顎が刃物で切り落とされたかのように削り取られ、
部屋中に桐生の叫び声が響き渡ったのです。

桐生を襲ったのは、伊江たちを襲ってきた透明になれる能力を持った改造人間でした。

オグっちゃんと伊江は意外な展開に混乱したように、
その光景を見つめます。

「お前らも俺と同じ好き勝手に身体を改造されたんだろ？お前らも好きにさせてもらったらどうだ？」

ナツネが静かに告げた言葉によって、一気に改造人間たちは桐生を取り囲み、
元の原型が分からなくなるほど踏み潰され、ペースト状にされてしまったのでした。

見る影も残さぬ有り様になった桐生を残し、改造人間たちは部屋を去っていきます。

すると突然、凄まじい光と衝撃が襲い、部屋のあらゆる電気が失われてしまったのです。
真っ暗になってしまったと同時に、館内放送が流れ始めます。

爆発火災が起きたことを伝え始める和泉所長の声に、
施設内にいる作業員は一斉に非常口を目指しながら走り出したのです。

これはただの爆発火災ではないと察した山引。
それを確信付けるような言葉がスピーカーから発せられます。

「次の人物に心当たりのある者は至急管理棟所長室に来てください……A市市営第二団地三〇一号室……山崎さおり」

その名前は、ナツネの母親の名だったのです。

怒りに歪む表情で、ナツネは所長室へと向かい始め、
伊江たちもその後を追ったのでした。

和泉所長の目的

所長室へと辿り着いたナツネは、迷うことなくドアを開きます。

そこにはショットガンを構えた和泉所長。
銃口をナツネに向け、なんの躊躇もなく撃ち放ったのです。

頭部を撃たれ、床に倒れたナツネへと近付いた和泉は、
ナタを取り出し、ピクリとも動かない相手の首を刎ねてしまいます。

そんな和泉の行動に驚き、取り乱す花島副所長。

「目的はアイツらを閉じ込めて飢え死にさせること」

増殖種であるナツネの命を完全に奪い、停電を引き起こし、
巨大生物たちを施設内に閉じ込める、それが和泉の密かな考えだったのでした。

そして、和泉は自分がなぜ施設を崩壊する考えに至ったのかを語り始めます。

和泉所長が『ゆりかご』へやって来たのは六歳の頃。

職を失い、離婚してしまった和泉の父親・純一は、悩んだ末に施設での生活を選びます。

まだ幼かった和泉新太郎は、大量の人間たちが詰まれたトラックを目撃しても、
ここはマネキンを作る工場という父親の嘘を鵜呑みにしました。

そして和泉純一が所長となって何年かたった頃に、
それは起きてしまいます。

悲劇の大粛清

ある日の夜、寝ている新太郎の所へ純一がやってくると、
保守点検のために停電になるから、その間に施設を脱出しろと言い出したのです。

父親の言われた通り脱出通路を行く新太郎が目にしたものは、
マネキンの製造現場ではなく、集められた人間の無惨な姿でした。

そして、新太郎は出会ってしまいます。

ナツネの母親・山崎さおりに……

うっすらと記憶に残る色褪せた母親以外、初めて目にした女性にうろたえる新太郎。
彼女の言われるがまま、彼女がいる檻のドアロックを解除してしまったのです。

目を離していた隙に彼女を逃がしてしまった事に動揺した新太郎は、
脱出を断念してしまいました。

しかし、その事で悲劇は引き起こされてしまったのです。

山崎さおりが逃げ出したことにより施設職員が一ヶ所に集められ、
幼生体の生き餌を選び始めました。

なんと新太郎も生き餌に選ばれてしまったのですが、
息子を救うべく純一は身代わりになってしまいます。

その出来事がきっかけで巨大生物を絶滅させる事を決意した和泉所長。

ですが、そう告白した和泉所長を花島副所長がナイフで刺してしまったのでした。

ナツネを失った伊江たちはこれからどうなってしまうのか！？
花島副所長が和泉所長を刺した真意は！？

食糧人類【5巻】の感想

自分が造り出した改造人間に、逆に命を奪われる羽目になるなんて、
桐生は思ってもみなかったでしょう。

そして、実は和泉は伊江たちにとっては味方だったことが判明した衝撃的展開！

和泉がナツネの母親を脱走させていたという意外な繋がりも明らかになりました。

幼き頃に和泉の父親が自分の代わりとなって、
巨大生物の生き餌になってしまったという切ないエピソードはとても切なかったです。

ですが、花島副所長が和泉所長をナイフで刺してしまうという最後に、
やはりうまくはいかないのかと落胆してしまいました。

数少ない味方・和泉所長をも失った伊江たちに助かる道は存在するのか、
今後も息を飲むような展開にハラハラが止まらないかもしれません。

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